愛しのワーワーサッカー

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京都サンガのサッカーはパスサッカーだと言われている。パスサッカーと言えば、最近ではバルセロナのそれが有名だ。ワンタッチでボールがどんどん動いて相手ディフェンスを翻弄する、優雅で華麗な面白いサッカー。

だけど京都のパスサッカーはひと味違う。狭いエリアにごちゃっと多くの人が集まって、短い距離のパスをちょこちょこ回すサッカー。ボールを取られても狭いエリアに人がいっぱいいるので、みんなで奪いに行けばいい、そんな泥臭いサッカーだ。

僕は部活とかでサッカーをやってた経験がないけど、1年間だけ少年サッカーのコーチをやってたことがある。コーチと言っても小学校1年生のチームで、本職のコーチの補佐として手伝ってただけだけど。

その1年生チームのサッカーと、京都のサッカーは少し似ている。みんなでボールの周りにワーっと集まって、ボールが違うところに行ったらまたそっちにワーっと集まる。そんな小学生のワーワーサッカー。みんなでがむしゃらにボールを追い回す姿は胸を打つ。応援したくなるのだ。

このワーワーサッカー、うまく行っている時はとてもいい。ごちゃごちゃの中に相手を閉じ込めて、取られてもごちゃっと襲いかかって取り返し、たまにパパッとパスが繋がって美しいゴールが生まれる。何と言うカタルシス!

だけど、うまく行かないと悲惨だ。広大な逆サイドのスペースにロングボールを蹴り込まれて、足の速いフォワードに突破されたり、背の高いフォワードの頭に当てられてあっけなく失点してしまう。どんなにパスを繋いでポゼッション高めても、どんなに相手をアンチフットボールだと罵ってみても、1点は1点だ。

がむしゃらで応援したくなり、うまくいく時といかない時の差が激しい。そういう中毒性にやられて、毎週紫のユニフォームに袖を通している。